まとまりのある構造・プレグナンツの法則

『デザインするには、私はセンスがないから出来ない・・・』
自分でデザイン制作にチャレンジしようとする人達からよく相談されることですが、僕は違和感を感じます。
センスってなんだろう?
僕が好きな女の子のことを、あなたは可愛いと思うでしょうか。
「キレイ」という美的感覚がみんな同じであれば、極論、みんな同じ女の子を好きになってしまうことになりませんか?
1人の女の子を奪い合う世界、そんなバトルロワイヤルな世界も面白いかもしれませんが、世界はイケメン&美女にだけ優しくはないです。人の好みは千差万別で、それぞれ「良いデザイン」というものには違いがあります。
それでは、良いデザインってなんだろう。
ダサい、美しくない、そんなデザインは情報が整理されていないのです。
人間の視覚の認知現象は最近急速に解明されてきています。
眼によって受け取られた明るさや色の刺激、両目から得られた束ねられた映像情報、それらが形として認識され、「そこにあるもの」として処理される。その感覚(センス)は、概念に対照されて、意味づけされて認識されます。
リンゴはなぜリンゴとして認識できるか。
それはリンゴという形・赤い色が「リンゴ」という概念を形成しているからです。
これが青い色をしたリンゴだったら「これはリンゴ・・・?」と首をひねることになると思います。
デザインとは、こういう知覚の部分で違和感を感じさせない作りをしていくことです。
ゲシュタルト心理学 – Wikipedia
人間の精神は部分や要素の集合ではなく、全体性や構造こそ重要視されるべきとした「ゲシュタルト心理学(Gestalt :形態 – ドイツ語)」の創始者のひとり、マックス・ヴェルトハイマー(Max Wertheimer)はゲシュタルトを知覚するときの法則について考察し、プレグナンツの法則(law of pragnanz、プレグナンツとは「簡潔さ」の意)を示しました。
「近接」「類同」「閉合」「連続」。
これらはデザインを勉強するときに、真っ先に習うものです。
個々の対象は関係によって関連付けされ、より大きな単位へと体制化されていきます。
カタチとしておかしくない、違和感を感じさせない、気持ち悪くないデザイン。
視認性・可読性を高めるためにも、要素をうまくグループ分けするということは非常に重要なことです。

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