伊那食品工業株式会社さんを見て


「いい会社」と噂に名高い伊那食品工業株式会社に視察に行ってきました。
■かんてんぱぱ(伊那食品工業株式会社)
http://www.kantenpp.co.jp/
“前人未踏”の48期連続増収増益。
その秘密は、急激な成長を望まないことだそうです。
不況の中で強欲に利益を追い求める企業が多い中、企業の永続を目標として持続的な低成長を続ける企業。
経営は「従業員の幸せ」を第一に考えている。
なんだか現代的な考えにそぐわないような気がしますが、ドラマチックな転がり方もなく、実に安定した経営を実現しているその経営事情は、もう勉強させてもらうしかないですね。
伊那食品の考え方は、以下のサイトのインタビューが詳しいです。
■伊那食品工業株式会社 代表取締役社長 塚越寛氏 – インタビュー – 環境goo
http://eco.goo.ne.jp/business/keiei/keyperson/58-1.html

長野の地を踏む「〇〇〇〇号」。
これ地元民にはどんな眼で映るんだろうか・・・。

敷地は広く、ギャラリーや多目的ホール、レストランなど様々な施設があります。

レストランや蕎麦屋があるのですが、今回食事したのは「ひまわり亭」。

サイネージも発見。
最近、こういうの見かける度に、ユーザーインターフェースとか触れるかとか、そういうところをチェックしてしまう。推理小説家は推理小説を楽しむことはできないのですよ。

こっちの名物はソースかつ丼とのことです。
僕の中でのソースかつ丼といえば「麺屋はやたろう」なのですが、発祥の地は信州なのですね。勉強になりました。
 


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・・・・・・
 
いや、ソースかつ丼の歴史を勉強しにきたのではなかった。

でも、ソースかつ丼、食べる。
「帰りに食うから食べるな」的な指令が出ても僕は食べる。

寒天もサービスで出てきた。
ブルーベリー味。目に良さそう。

僕の中では最近結構重要なポイントになっている、「犬と一緒に来れる店なのかどうか」。
ここはちゃんと鎖を繋ぐ場所が数か所ありました。

ゴミが落ちてないのが自慢だそうで、従業員が自主的に朝早くに出てきて掃除をするのだそうです。またトイレも同じようにキレイで、汚すのは外から来たお客さんなんだとか。
会社を自分の家と同等という、会社の考え方なのだそうです。
社員もファミリー、会社は自分の家。自分の家を汚す人はいない。だから綺麗。


寒天という素材で、粗利をあげていく。
僕ならどんな商品を開発していくだろう・・・と考えてみたのだけど、意外に身近でもないことに気付いた。寒天のことよく知らなかった。
いろんな食材とコラボすることで多彩な商品展開ができそうだけど、それだと単純に面白くないかも。
硬いか柔らかいかの違いしかないかな。
いや、ここは食品に縛られず、新素材として何かの工業製品作るとか・・・。

考えるとお腹が空く。

いい会社。

まさかの個数制限なし。
性善説。

ショップというかお土産屋さんもある。
ガラス越しに工場のラインが覗ける場所を発見。
伊那食品さんは「社員の幸せを露骨に追求する会社」ということなのですが、僕はどちらかというと、平社員の人からも話を聞きたかったな・・・。


ところで「社員の幸せ」ってなんだろう?
「社員みんながやる気がおきる会社」。

僕が会社でやりたいことって、実はない。
何故かといえば、僕がやりたいこと作りたいことは、わざわざ会社でやらずに家でやっちゃってるから。
会社でやることは、必然的に誰かのための仕事だと思う。
お客さんのためでもあるし、同僚や後輩のために仕事を手伝うことかもしれない。
僕の幸せ、僕にやる気をおこさせることってなんだろう。
僕は入社の時も「休みよりも仕事が欲しい、そして給料あげたい」とか言ってたくらいなので働くことの目的がお金になってるはずなのだけれど、「幸せ」という部分に関していろいろ考えさせられる。
僕はお酒が飲めないので、飲める人からは「人生を半分損してる。可哀そう」とよく言われるけど。
それに似た感覚。
でも僕の幸福を誰かに定規で測られたくないんだけど。
だから僕自身は会社から「社員の幸せを~」と言われてもちょっと違和感を感じてしまう。
塔の最上階で勇者の助けを待ってるお姫様の気分というか。

伊那食品さんの社是は「いい会社をつくりましょう」。
従業員、取引先、顧客、地域社会など会社を取り巻くすべての人々にとって「いい会社」であることを目指しているそう。
「つくれ」「つくる」ではなく、「つくりましょう」というところが伊那食品さんらしい。
幸福という概念は、不幸という概念よりも知覚するのが難しい。
自分が幸福であることを自覚できる人は少なく、それに比べて不幸という感覚はシンプルにわかりやすいから。
だから伊那食品さんの掲げるテーマは、普遍的な言葉で簡単なようで、かなり難しい。
でもなんだか、この目標に向かっていけるチームや会社は、素晴らしいと思える。
世の中は財布を拾った幸福な人がいたとしたら、財布を落とした不幸な人がいる、そんな世界のような気がする。
たぶん伊那食品さんの社員には自己犠牲精神のようなものがあるかもしれない。
でもそんな崇高な精神で自分が幸せだと思えること、まずは自分の仕事が「楽しい」と思えることが、周囲を楽しくさせ、面白くさせ、幸せにしていくことなのだと思う。

洋風寒天レストラン ひまわり亭洋食 / 下島駅(JR)沢渡駅

昼総合点★★★☆☆ 3.0

 

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