デザイナーの考え方をマネジメントに流用する「デザイン・シンキング」があるのですが、同じように経営に IT 化をもたらす言葉として「デジタル・トランスフォーメーション」があります。AI や IoT を利用して業務をデジタル化するイメージです。
IT 業界に在籍する人には耳慣れない言葉なようですが、メーカー勤務のインハウスデザイナーのような職種には常に聞こえてくる言葉です。あらゆる企業にコンピューターが普及しているといっても、現場では未だにアナログな業務が根強く残っています。不況の影響や近代のゆとり教育もあって、意外にデジタルな業務に慣れる雰囲気もなければ、社内の変革が強く推進できるような体制も育ちにくいというのが現代企業の性格なのかなとも思います。
浜松という土地柄でいえば、IT企業が多すぎるというのもあってアウトソーシングした結果予想と違うものができたり、社内の体制づくりが結局遅れることが多いみたいですね。
デジタル・トランスフォーメーションは、業界では「DX」と略されて呼ばれています。
Digital Transformation の略が何故「DX」なのかは、初めて聞いた人が必ずする質問です。
Digital Transformation の略が DX というのは、ネットワークや音楽をやる人なら、ピンときたりします。
X = Cross という読み方から、Cross と同義の Trans を X と短縮する文化が昔から英語圏にはあるのですが、諸説あるのですが誰も不思議に思わないので、もうそういうもにになってるみたい。
通信ヘッダの頭に「x-」も、たぶんここからきてるんじゃなかろうか(知らんけど)。
キーボードでも変換キーに XFER という印字、無変換キーには NFER(not transfer)というものがあり、歴史的にも感慨深いものがあります。
まぁ、そんなわけで DX について戻りますが。
経済産業省では、「DX推進ガイドライン」を公開し、企業に対してデジタル化推進を促しているのですが、遅々として進まないのが現状です。普通に考えたら、日々の業務をしながら苦手な業務を勉強していくというマゾいことをできるわけがないのですが。
DX推進の問題は、時間と費用の投資、それに伴う専門性を持った人材の不足です。
企業内ではテクノロジーや関連したスキルを持った人は少なく、業界全体でも希少性が高くなっています。変革の旗を振れるリーダーシップを持つ人なら、なおさら貴重です。
不思議なことにプログラマや SE は捨てるほど世の中にいるのに、デジタル関連のスキルを持った人&マネジメントができる人がなんでこんなに少ないのでしょうか?
ひとつには、ゴールと一緒に技術的な背景を示さなくてはいけないので小難しいというところがあるのだと思いますが。。。
こういう業務を教える学校とか、あるといいですね。
■「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004.html
コメント