Moto レストラン|食べられる紙のメニュー


(C)moto restaurant
ずっと気になっているお店。
シカゴにある「Moto」というレストランです。
人呼んで「実験レストラン」。
m o t o | c u i s i n e : 2013
http://www.motorestaurant.com/
元々は高級レストランとして有名だったそうですが、最近ではかなり変わった料理を出すことで有名。
ある時には、紙にお寿司の写真をプリントしたものをお皿に乗せてお客さんの前に出す。
客が怪訝な顔をすると、その紙は食べられるという。
疑心暗鬼で客が、寿司がプリントされた紙を口に運ぶと、なんとお寿司の味が口の中に広がるのだ!


このレストランのことを知ったのは、スタンフォード大学 d・スクールの活動を調べていた時。
■d.school: Institute of Design at Stanford
http://dschool.stanford.edu/
このd・スクールは日本でいう学部・学科のようなものではなく、クラブ活動に近い。
日本では机上や PC 前で作業するグラフィックオペレーターがデザイナーという位置づけのため「デザイン」という言葉がどうしてもグラフィック寄りになってしまうのは仕方がないのですが、こではフィールドワークやプロトタイピングを主体とするイノベーティブな創作活動がデザインという表現になっています。
つまり、d・スクールはデザイナーの巣窟ではなく、多種多様な学問を専攻するクリエイターの集まりです。
会社や学校は「教えやすい」という理由で生徒を集めた自分都合な組織。
d・スクールでは、同じ分野の人が集まる集団より、多様性のある集団の方が創造を生むという考え方なのだそうです。
確かにマニアックにやりたいことだけをやっている専門性を突き詰めたスペシャリストよりも、浅く広い知識を持っている人の方がクリエイティブはありそう。逆説なのかもしれないけど。
このd・スクール、大学の構内をよく引っ越しします。
彼らは自分たちの創作活動をしやすい部屋の環境を造りあげ、そこで数か月を過ごし、またすぐに新たな場所に移動して部屋をリフォームするという作業を繰り返しているのだそうです。
そのたびに壁紙をはりかえ、柱を削り、パーテーションを立ち上げドアを造り、天井をいじくりまわす。
なんでそんな面倒なことをわざわざ? と思うのですが、そこにアーティスティックなイノベーションがあるらしく。
お金も無いので彼らは工夫をして家具や設備を造り、しかもそれが移動や組み立てが便利になる仕組みになっているそうです。
今の状況を、さらに良い状況に変えていく。
つまり「問題解決」です。
それが「どうせすぐ移動するから」と思い切りの良い改築や、長期保存を考えない便利な設備を組み立てることに繋がり。
さらにアイデアをすぐ実行するというスピードにも繋がるようです。
しかも創るのは、生活に密接に関係したもの。
無意識に考えることを訓練されるような気がします。
スタンフォード大学の d・スクールに関しては有名なので、いろんな文献がネット上に散見できると思いますので、そちらをご参考に。
(参考)
話題のスタンフォード大学デザインスクール -d・school- に行ってみたぞ | サンフランシスコ・シリコンバレー拠点のクリエイティブエージェンシー・btrax スタッフブログ
http://blog.btrax.com/jp/2012/07/22/dschool/
なんか話が長くなりましたが、motoレストランは、要は d・スクールの関係者が立ち上げたお店のプロジェクトなのだそうです。
この実験レストラン、2005年には既に「味のする紙」を開発しているので、相当先を走っています。
将来的に高級料理をダウンロードして食べられるという未来の食生活を作りたいのだそうですよ。なんか味気ない未来でそれだけは僕は嫌なのですが。
でも、この技術でいろんな人々の生活が変わります。
食物は輸送しなくてもよくなり、長期保存という概念も無い。
ひょっとしたら諸外国の食料問題を救えるかもしれない。
そんな未来を感じ体験できるレストランだと思うのです。
実際に行った人のレビューはあんまり見つけられなかったけど、下記の URL のレビューは楽しそうで参考になります。
レストラン MOTO☆|Mugiの英国だより
http://ameblo.jp/mugikazoku/entry-10736368556.html
料理も作れるインクジェットプリンタ – ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0503/02/news042.html

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