Google が、新しい UX の体系「Material Design」を発表しましたね。
スマホやタブレットやPC、次世代の腕時計までを含めた端末の違いをこえて、UI を統一し、全てのスクリーンサイズで同じ操作体験ができるというコンセプト。
ムービーを見ると、デザインコンセプトが伝わってきます。
こういう動画いいなぁ。
Material Design = マテリアル・デザイン、と聞くと、昔の Apple のスキュオモーフィック・デザインに近いコンセプトには感じますが・・・。
現代のデザインの方向性が「一部の人にささっていくデザイン」ではなく、「大衆的で誰からも特に文句が出ないデザイン」である以上、より画面は装飾の無い無機質なものに今後もなっていくはずなのですが。
シンプルで機能的なフラットデザインが利用される機会が増えるというのは、時代の必然性ですね。
ただ、マテリアルというだけあって、紙媒体の古典的な技術が継承されているのが面白いところ。
このマテリアルデザインというキーワードは、デザイン的には特に目新しいものではなく。
紙やインクの「素材」としての関係性を考えることで、アフォーダンスの発揮された分かりやすい UI を実現するものです。
概要を説明した文章を読むと「視覚的な言語」「古典的な原則」「技術との融合」という考え方が示されています。
統一したルール化されることで、異なる端末間での操作のわずらわしさを解消するという、大いなる野望を実現する基盤システムの構築にあるようです。
基本的には、WEB では絶対に外せないインタラクション部分の強化。
フラットデザインでは圧倒的に弱かった「ボタンっぽくない」「押せるところが分かりにくい」という問題を解消するためのシステム。
基本的にマニュアルを必要とさせないデザインでまとめ、動きを多用することでこれから入力すべき場所や入力に対する反応などのフォードバックが容易になり、わかりやすくなっています。
こういうのって誰もが思いつくのですけど実装するには道程が遠く諦めることが多いと思う。
ただ Google が先陣きってやってくれたことで、これから腰の重い人たちがアニメーション効果をつけていくことになると思います。
僕は余白を多く使うタイプなので、こういうデザインは大好物なのですが、これからガイドラインを翻訳しつつ読んでみようと思います。
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