(C)ZOO JEANS
「ZOO JEANS(ズー・ジーンズ)」というクリエイティブが興味深い。
Zoo の名の通り、デニム生地を動物園の檻の中に放り込み、動物たちがひっかいたり、牙を立てて噛みついたりしてできた跡をデザインするという、かなりワイルドな風貌のジーンズです。
ストーンウォッシュなどのダメージ加工をしたジーンズは数あれど、こういう形では、なかなか無いというか。
工場での既製品では生み出せないオンリーワンのデザインですね。
牙の後のジーンズ履いてたら、知らない人が見たら、何事があったんだろうと想像せずにはいられないところも面白い。
動物好きにも受け入れられそうですね。
ライオンモデル、タイガーモデル、ベアモデル、と錚々たる猛獣たちが名前を連ねており、本物の爪痕・傷跡を身に着けるなんてかなりのセレブっぽい?
■ZOO JEANS スペシャルサイト(公式)
http://zoo-jeans.com/
このジーンズは、ジーンズメーカーの製品キャンペーンではなく、茨城県日立市の「かみね動物園」のバイラル・マーケティングみたい。
東京の広告代理店に勤める地元出身のプランナーが、子供の頃に訪れた動物園の来園数が減っていることを知り、人気回復する効果を狙って仕掛けたものとのこと。
なるほど。こういう活動の仕方とクリエイティブの発揮の仕方もあるんだな・・・。
動物園には元々「みねこクラブ」という、来園者の増加を目的としてイベントやグッズ販売を行うボランティアグループがあったみたいだけど、そこと連携し、今回のジーンズの展示とネットオークションでの販売を仕掛けたという経緯みたい。
収益金は世界自然保護基金(WWF)ジャパンと動物園に半分ずつ寄付するということで、収益も有意義な使われ方をするみたい。
詳しい経緯については、動物園のサイトの中にあるので、読んでみると面白いです。
■日立市かみね動物園|Zoo Jeans 登場!
http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/encho/p036068.html
バイラル効果を狙いたい動物園。
デニム生地の強度など、ジーンズの優位性を謳いたい地元ジーンズメーカー。
企画で名前を売りたいプランナー。
そんな感じに、いろんな人が win & win ないい仕掛け方だなー、と素直に思いました。
っていうか、動物が傷をつけただけのジーンズですが、これちょっと欲しい。
僕もそのへんの野良猫とかに試して生産したくなる。
ただペットではなく「猛獣」というキーワードが大事なクリエイティブで。
ライオンや虎といった獣たちの生命感やアジリティやパワーというか。
そういった普段人間が触れてはいけない禁忌のような付加価値がつけられたことが、人の心を打つデザインになるのだと思います。
このズージーンズ。ネットオークションでいくらになるのかとか興味深いところが多く、気になりますね。
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