佐藤可士和のつくり方


この本はクリエイターが読む、というより、
クリエイターを彼氏に持つ彼女に読んでほしい本、だと思う。
「SAMURAI 佐藤可士和のつくり方」が、 改訂新版となって20日(水)に発売されるみたい。
佐藤可士和が、なぜ「アートディレクター」という、それまで無かった職種を確立させることができたのか。
なぜ「アートディレクター」じゃなくては駄目だったのか。
ということで、このタイミングでアフィリエイト的な意味で、この本に急に興味を持ったことにして書いてみる。
過去にもらった本を引っ張り出してきたけど、くれたの誰だっけ・・・?
タイトル通り、中身は佐藤可士和という時代の申し子が、いかにして「サムライ」という会社(チーム)を作り、どんな風に「時代のアイコン」ともいうべき存在になったのかという内容。



執筆したのは、佐藤可士和本人ではなく、佐藤悦子さん。
元広告代理店(博報堂)の営業職で、その後外資系化粧品の広報マネージャーとなり、その後サムライに合流してマネージャーになったという才女。
サムライのオフィスを紹介する記事によく映りこんでいて、「さすがサムライともなると、女性社員も美人の上にセレブっぽいなぁ」とか、そのレベルに驚愕していたんだけど、後で、佐藤可士和の嫁と聞いて納得。
二人の出会いについても、ちょこっと書かれてる。
芸大出身のスノーボーダーのような着崩したファッションの男と、ジーンズも持っていないセレブ系でキャリアを歩みだしたばかりの女。
この2つの線が交わるというだけでも不思議で面白い。
そして、そんな個性だからこそ、感じ方が違う。

彼が「クリエイターに営業トークはいらない、作品で語りたい」と言えば、彼女は「それは人間として相手に失礼」と言う。
彼が「クリエイティブには働く空間が大事で、だからこれ以上狭くなるなら人を増やせない」と言えば、彼女は「じゃぁ引っ越す。今度は完成形ではなく、将来5人増えても大丈夫なオフィスをデザインしろ」と言う。
彼は出不精で新聞を読むのが苦手、彼女は海外の個展などに彼を連れまわし、新聞を重要な部分だけ切り抜いて彼に渡す。
エゴだったクリエイターが、1人の全うな人間としてプロデュースされていく様は、それが佐藤可士和という凄い存在だと分かっていても、レベルの高い「成長」の物語として進む。
当然、プロデュースしている側の視点なので、失敗談ではなく成功事例。
しかし、誰かを応援したい、この人を頑張らせてあげたい、という思いがある人には、面白い教科書なのだと思う。
クリエイターを彼氏に持つ彼女に読んでほしい本、というのは、
クリエイターと一般人の考え方の違いや文化みたいなものを、著者が心情的にもきれいに分類しているところ。
かくも違うのか、という部分が多い。
考え方の違いがあるのは、人間同志では当たり前。
クリエイターとどうしても結婚したい、結婚しなくちゃならなくなった、という彼女は読んでおいた方がいいかも。

2013/2/20 発売

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