このデザイン処理された車。
実はこれ、オランダのパトカーです。カッコイイ!
ドアを広げて正面から見てみた時が秀逸で、心理的な威圧感を持って犯罪者に対峙するデザインになっています。
このデザインを作ったのは、スタジオ・ドゥンバー(STUDIO DUMBAR)。
公共デザインの多くを手掛けるデザイン事務所です。
デザインではいろんな国がオピニオンリーダーとしての地位に名乗りをあげていますが、オランダもそのひとつ。
市販品から公共機関、紙幣といった生活の細部までデザインが施されています。
また、公共の建物の建築費の5%ほどは、デザイン費用に当てなければならないという規則があります。
それくらい国をあげてデザインを重要視しているため、空港や美術館などがアートな外観をしているのです。
上の画像のパトカーは、美しく統一された配色を持っており、警察車両の全てが統一されています。
その目立ちすぎるオレンジと青の外観のために存在感が増し、「パトカーが増えた」と感想を持つ市民が増えるほど(実際には減っているのだそう)。
これが犯罪抑止などの成功事例となって、同じストライプの違う配色での救急車両ができるなど、派生しているそうです。
Vormgeving 。これはオランダ語のデザインという意味で、英語だと「Form – Giving」。
つまり「形を与える」。
流れる風の動き、ゆらめく炎の動き。
そんな輪郭の無い事象の中心を捉え、固定化しない概念で輪郭の無い「かたち」を作り上げていく。
不完全でうつろいやすく、揺らいでいる「かたち」。
受け手に依存するかのような、受け手が作り上げ完成させるようなもの。
コミュニケーション・デザインにも準するコンセプトは、オランダのシンプルでユニークなアートに多く見られます。
オランダが生んだ偉大な画家、ゴッホ、フェルメール。
光と質感の表現で評価されるフェルメールは「光を描いた」といわれますが、光にかたちを与えたとも言い換えることができます。
そういえば静岡美術館のフェルメール展、GWに見に行こうと思ってたらもう終わってるし。
Windows8 のメトロ UI が昨今注目を浴びているのですが、それに一番近いのが発祥の地とも言われるロンドン。
そして、オランダのデザインだと思うのです。
オランダのデザインは、武骨なイングランドに比べれば可愛らしくてカラフル。
タイポグラフィでは若干好みではないのだけれど、シンボリックで独特の色彩感覚はチャーミングで親しみやすいです。何より僕のオレンジ好きにマッチしていて、やりやすい。
そんなわけで、僕のタブレットに対する設計というのは、オランダ・デザインをコンセプトにするのです(どーん)。
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