デザインド・リアリティ


デザインと心理学を結ぶキーワード、「アイデンティティ」。
自己同一性という言葉で表されるもので、Wikipedia では「自分は何者であり、何をなすべきかという個人の心の中に保持される概念」という言葉で定義されています。
難しくいっていますが、要は「おれはおれ!」と確定的に持つものです。
「私は、ずっとブログを書き続けます」的な揺るぎのないカッコイイのもありますね。
自分らしさの表現からはじまり、周囲からポジティブな評価を得たいという気持ち。
「アイデンティティ」は自分らしさ・独自性に強い関わりがありますが、同時にコミュニティの構成にも関係があります。
同じものに没頭し、認め合う仲間と心を許し合う。
人は、他者を巻き込みながら、つながりを求め、自己を形成していくということなんでしょうね。


お気に入りの物や出来事。
身の回りの友人に聞けば、多数のエピソードを話してくれます。
ブログにも、ブロガーが体験した楽しい出来事・辛かった出来事などが多数書かれます。
知識欲とは別に、それが面白いと思う仕組みはなんでしょう。
記憶の手がかり。
ライフイベントの度に、その時の自分を残すこと。
そんなエピソード記憶を自分のために残す。誰かにそれを発見してもらい、共感してもらいたくて残す。
それが後に、感情的な記憶として蘇る。
ちょうど、旅先で購入する意味のないキーホルダーのように。
場所や時間、モノだけでなく、その瞬間の「記憶」もデータ・ストレージに入ることになるのでしょうね。
ブログというツールでは、自分自身の日記のような情報を中心とするコミュニケーションがとられてきました。
しかし、コミュニケーション手段としては、ツールとして方向性が違うように思います。
表情や行動といった感情表現。
お互いが集まろうとする所属意識。ソーシャル的な仕掛け(心理学でいう集団擬集性)。
自分というアイデンティティを形成した、信頼のおける人間関係。
リアルに関係なく、コミュニティ内だけで通用する言葉のような、独自性のあるルール。
リアルとネット上での存在表現。
ブログの次は、そんなサービスが主流になってきていると思っています。
ブログという媒には「書く人」と「読む人」の2面性があって。
書く側にとっては自分という存在を確立させるため、読む側にとっては「この人はどんな人なんだろう」という興味を満足させるため。そんなアプローチも考えられます。
自分の存在を確認する。
世界は、より美しくあるべき。 → ビューアーで見る世界
でも、より「自分らしく」ある世界であるべき。 → プロフィールに紐づく情報で構築される世界観
この2つのインターフェースの融合と情報の加工なんだと思うんだけど。

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