ミラノ工科大学の経営学者ロベルト・ベルガンティが提唱する「デザイン・ドリブン・イノベーション」。
僕は経営に関して才能が無いので詳しいことは語れないのですが、新しい経営戦略の方法だと言われています。
すなわち、これからのサービスを作る方法。
今までは、「ユーザー中心デザイン」というデザイン哲学がありました。
僕の心の師匠、ドナルド・ノーマンも掲げていましたね。
この「ユーザー中心デザイン」を実践するのは、会社員であれば非常に簡単です。
お客さんが喜ぶことをしてあげれば良い。
つまり、「タダで仕事をしてあげればいい」です。
お客さん大喜びですね。
自分は安全に会社から給料を貰い、お客さんからはお金を貰わない。お客さんには滅茶苦茶喜んでもらえると思います。
例は極端な話ですが、端的に言えば値引きさえしていけば、「良い仕事をしている」と取引の中では誰にでも喜んでもらえます。
そういう腐った仕事をしないために、技術やサービスにおいてイノベーションが必要になってくるのですが・・・。
簡単に言うと。
顧客の声を聴くことで良い製品が生まれるというのは幻想、といった感じ。
プロダクトでいえば、技術が日進月歩で進化し、スペックが上がり、技術革新が起こり、価格が下がっていく。
そんな時期に、わざわざ「デザインが良い製品」を購入する客はいません。
判断基準は、性能が良く安いもの。デザインにはウェイトがおかれることは少ないです。
つまり、デザイナーの氷河時代。
逆に、技術が停滞し、競合他社との差が技術的にもあまりないという時代。
この瞬間。
デザイナーは脚光を浴びることになります。
これが「デザイン・ドリブン」。
デザインによって価値が作りだされ、それによって購買者の判断基準が左右されるような状態です。
値引きではない方法での、顧客が喜ぶ概念。
デザイン・ドリブン・イノベーションは、心地よい体験の提案。
技術に頼ることなく、自分たちのサービスに意味を持たせることがイノベーションになるという考え方です。
(ここから伏線の回収)
先週末に書いた「山田ニナさんに恋してると俺の中で話題に」という記事で同じような手法を使っているのですが。
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機能を作った!
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さぁ、どうやったら使ってもらえるかな?
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ではなく。
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最新情報が手元に届くから自分が取得しにいく必要がない(メリット)
こっそり見に行かなくても「仕方なく」美人な女の子の写真が届いてしまう状況(メリット)
↓
作ろう(設計)
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という発想が先にあって、そのために必要なサービスが作られる。
そういう風にお客さんに「提案」していくことが必要。
クリエイターとはそういうものだと信じてる。
イノベーションといえば、iPhone が代名詞で、突然 iPhone が売れたみたいに言われてるけど。
実際は、iPhone を作る前、Apple は iPod & iTune によって市場のシェアを地道に獲得してる。
突然電話を作ったわけじゃなく、身に着ける小型プレイヤーに電話機能を追加する提案をしただけ。
プロモーション?が後追いするようなら、それは単なる既存のものの画面と動きをリニューアルしてコピーしただけのもののように思う。
ゴールというより意味とメッセージの部分をもっと突き詰め、祈るように進めるべきなんじゃないだろか。
という部分を実践したいな、と思った。
でもどこで曲がって理解されるんだろ。
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